東京の不動産会社は何故潰れないのか
東京の駅前には、不動産会社がたくさんある。
多いなんてものではない。
何の変哲も無い駅に、5〜10店舗店舗ある。
しかも、古い。
昔からやっているような、古い不動産会社が多い。
店の中を覗くと、爺さん、ばあさんがだけでやっているような不動産会社。
私なら絶対に店に入ろうと思わない。
場所だけはやたら良い店が多い。
大通りの路面店に入っていたりする。
普通に考えれば、家賃はかなり高いだろう。
何故、潰れないのか。
地元で頑張っている八百屋や魚屋では無い。
明らかに頑張っていない。
明らかに、評判や口コミで客が来ている訳でもない。
何故、こういった東京の不動産会社が潰れないでのほほんと生活出来ているかというと、賃貸管理をしているからだ。
賃貸管理とは、大家や地主が持っている賃貸物件の、管理業務を請け負う仕事である。
相場は家賃の5%程度。
家賃10万の部屋であれば、毎月5,000円だ。
1つの不動産会社で300戸も管理していれば、毎月150万円の売上になる。
家族が食っていく分には十分な収入だ。
賃貸管理業務といっても、毎日何か仕事が発生するわけでは無い。
エアコンが壊れたとか、水が止まったなんてことは、そうそうある訳ではない。
何かクレームが入ったら、下請け業者に仕事を投げる。
修理費用は大家や地主が負担する。
賃貸の空きが出た時は、入居者の募集をする。
この時も、自ら入居者を募集する訳ではない。
他の会社にやらせるのである。
入居者が決まれば、ほとんど何もせずに家賃の1ヵ月分が地主から支払われる。
賃貸管理は、非常に儲かる。
何でこんなに儲かる商売が実現可能かというと、彼ら不動産会社が大家や地主と昔からの付き合いがあるからだ。
不動産会社も、地主も、両方年寄りが多いが、付き合いは長い。
彼らは絶大なパワーを持っているという訳だ。
不動産会社自身が大家というケースも良くある。
東京でやっている畳屋やハンコ屋、食器屋や喫茶店など「何でこの店潰れないの?」と不思議になるほど流行っていないのに、長く続いているお店も、実は大家だというケースが多い。
潰れない東京の不動産会社には、秘密があるのである。